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オーディオ評論家 山本浩司先生 audiolab 8300CD,8300A / Q Acoustics 3020i 試聴 - イースタンサウンドファクトリー

WORKS導入実績

オーディオ評論家 山本浩司先生 audiolab 8300CD,8300A/ Q Acoustics 3020i 試聴

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オーディオ評論だけではなく、映像や音楽作品にも造詣が深い山本浩司さんの都内アトリエを訪ねました。

audiolabのCDプレイヤー「8300CD」とプリメインアンプ「8300A」の組み合わせとQ Acousticsからリリースされた新作「3020i」を試聴、評価していただきました。

試聴機材

  • audiolab 8300CD/8300A (CDプレーヤー・プリメインアンプ)
  • Q Acoustics 3020i (2ウェイパッシブスピーカー)
  • JBL project k2 S9900 (3ウェイ フロア型スピーカー)
  • エニグマアコースティックス Sopranino (スーパーツイーター)

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・試聴の段取りとしては、audiolabのポテンシャルを確認するために、山本先生の愛機JBL K2 S9900にエニグマアコースティックス Sopraninoを加えた大型3ウェイシステム+スーパーツィーターをaudiolab「8300A」でドライブさせました。CDプレーヤーは「8300CD」です。「8300A」はレコード用のフォノアンプを内蔵しMM/MC切り替えや、独自のアクティブ・カレント・デリバリー技術を用いて最大出力75Wのクリッピング・ポイントまで歪みのない音質を提供することを特徴とした、良質なトランジスター式のプリメインアンプです。「8300CD」は32bit Sabre DACチップを搭載しハイサンプリングを可能に、また4つのDSDフィルタを搭載することでノイズフロアを最適化することを特徴とした現在のオーディオシーンにぴったりのCDプレーヤーです。

 

・次に「8300A」「8300CD」の組み合わせでQ Acoustics「3020i」を試聴してもらいました。「3020i」はWHAT Hi-Fiなど賞を総舐めにし、今世界が注目しているQ Acousticsが振動を最小限に収める技術「Point to Point」を特徴として設計したブックシェルフ型2ウェイスピーカーシステムです。

 

 

●audiolab 8300 CD/A 試聴

 

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 まず20万の価格帯のアンプ・CDプレイヤーともに主だったものは聴いているけど、その中でも群を抜いて音がいい製品であることは間違いないですね。この2機種は同時に使うと真価を発揮する印象を受けました。それは音のまとまり・キャラクター・音調が共通しているので、非常に説得力のある音になるからです。またキャラクターは寒色系で音像も少し細身ではあるけど、音の消え際がすごく綺麗なのが素晴らしいと思います。音の消え際は「沈黙の次に美しい音」とECMレーベルのキャッチコピーであるけど、沈黙の余韻が流れ完全に音が消えていく消え際が、安価な商品はうまく表現できていないことが多いです。一方で、audiolabの商品はそこのニュアンスや表現がピカイチですね。だから、ローレベルのリニアリティがいいし、リニアリティがいいということは直線的に綺麗な音が消えていく証拠にもなります。つまり信号雑音比(SN比)が優秀だと思います。

 

 

 一般の音楽ファンには理解されにくいけど、僕が評価しているのは良質なステレオ録音音源をスイートスポットで聴いた時、目の前にできるステージの出来方なんです。安価なアンプ・スピーカーは、音が広がらずにこぢんまりとしたステージになってしまいがちだけど、audiolabはすごく広く聴こえるし、奥行き、高さがすごく綺麗に出るから立体的に聴こえます。最後に聴いたプリンス:The Rainbow Childrenは、スケール感・細かいニュアンスもしっかり表現されていました。40万のアンプで聴いても音が少し太かったりで説得力はあるけど、広がりがうまく表現できない場合が多々あります。その点audiolabのエンジニアは音楽全体をうまく捉えていて、ステレオイメージの音の出方を意識しながら開発しているのだと思います。20万という価格でここまでの音を表現できることに非常に感心しました。

 

 

 

●Q Acoustics 3020i × audiolab 8300CD/A

 

Q Acoustics 3020i White Grille Off Table

  

 2ウェイスピーカーは音のまとまりが勝負だけど、そこのレベルが物凄く高いと思います。 特にミッドレンジを中心とした音像の出来方がすごくナチュラルで自然な音がします。安いスピーカーは高域を受け持つツイーターの耐入力がないから、ヴォリュームをあげるとすぐに悲鳴をあげるというか、これ以上ヴォリュームをあげられない状態になるけど、3020iはそういう面でパワーリニアリティ(入力に対する余裕度)がすごくあります。

 

 低音から中音にかけての音の作り方は、非常に豊かな印象を受けました。ベースのE弦を弾いた時の 29Hzまでは出ていないけど、出てるように感じさせる。また低音を周波数下まで伸ばしたからといって、ミッドレンジにかけて相対的にエネルギーバランスが低ければ寂しく感じるけど、Q Acousticsはそこのチューニングが絶妙にうまいですね。だからこそ、ツイーターとウーハーを隣接して配置しているのにも合点がいきます。これのおかげで音の一体感がさらに増しますし、加えて音の放射パターンをツイーターとウーハーで綺麗に合わせているから、違和感がまったくなくなります。クラシックを聴けば、扇型のオーケストラをバックにピアノを弾いているイメージが容易に想像できます。

 

29,000円でここまでの音を出せるのが少し信じられないですね。スタンドを用意して定位置でしっかり鳴らせば、最高のコストパフォーマンスで最高の音が聴こえると思います。ビジュアルもすごく綺麗で外観を損なわないから、環境をしっかり整えて聞いてみてほしい。きっと幸せになれます。

Black stand with speaker 

●試聴CD一覧

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◆左上:「the rainbow children / プリンス」 (ビクターエンターテインメント VICP-61736) ◆中央上:「輝くアカペラヴォーカルの奇跡 /VA」(Spice of Life RG-0004) ◆右上:「キ・ファウタ・ヴォセ・ミ・ファズ / マリア・ベターニア」 (キングインターナショナル BF571)

◆左下:「チャイコフスキー:ロココ主題による変奏曲 / ミッシャー・マイスキー(チェロ)」(ユニバーサルUCCG-4134) ◆中央下:「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 / ポール・ルイス(ピアノ)」(ハルモニアムンディ KKC-52422~44) ◆右下:ほうろう40th Anniversary Package / 小坂忠(ソニーMHCL-30322-)


山本浩司先生 プロフィール

  • ステレオサウンド社の雑誌「HiVi」「ホームシアター」編集長を経て、オーディオ・ヴィジュアル評論家へ転身。最新のオーディオ&ヴィジュアル機器を雑誌やWEBで評論している。
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