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Kazuki Sugawara x musikelectronic geithain - イースタンサウンドファクトリー

WORKS導入実績

菅原一樹さん(作編曲家/anre*f inc.)  インタビュー

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企業広告の音楽をはじめ多くの作品を手がけるだけでなく、ソロやサポートとしてのライブ活動に加えてRefresh Resortという作曲家2人によるプロジェクトを始動するなどなど多岐にわたる活躍をみせる、作編曲家の菅原一樹さん。musikelectronic geithain(以下ムジーク)のラージモニターを導入した近年は音色と質感に気を使っているという彼の拘りが凝縮したプライベートスタジオでお話を伺いました。

 

 

-お使いのムジークのモデルは何でしょうか?

ME801Kです。

 

ME801K

 

ME801K  カーディオイド型 同軸3WAYラージ・モニター

ツイーターを縦に3台アレイ配置しており高解像度再生しながら最大122dBの高音圧を実現

 

-ムジークを知った経緯をお知らせください。

 

知り合いの作曲家さんのプライベートスタジオにお伺いしたときにRL906があったのがきっかけです。


-最終的にムジークを選んでいただいた理由があればお聞かせください。

 

定位の良さが大きな要因です。
また、まわりの作曲家からの評判も良かったこと、

カールステン・ニコライ(Alva Noto)さんや坂本龍一さんが使用していることも導入を後押ししました。

もともとRL906を使っていましたがもっと正確にLOWを把握したいと思いRL904へサイズアップを検討していたところ、

昨年たまたまME801Kに出会いました。
一聴したところ惚れ込んでしまい導入を決めました。

スタジオのアイコンになるような美しい外観も理由のひとつです。
ムジークの前に座るたびにワクワクして、創作意欲が掻き立てられます。

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RL906 同軸2WAY ニアフィールド・モニター

 

-選んでいただきありがとうございます。ムジークについて使用感や音の感想印象などを教えてください。

 

他のスピーカーと比べることがこれまであまりなかったのであくまで印象ですが、

心地よく聴ける側面と、顕微鏡で覗くように細部まで見渡せる(聞こえる)側面のバランスが良いなと個人的に思っています。

またよく見渡せるので制作をしている時に自分の技術の足りない部分がよく分かり、自分を育ててくれるスピーカーだと思います。

特にME801Kにしてから低音の形がわかるようになったので、より踏み込んだエディットができるようになりました。

楽曲を制作しているときはもちろん、ミックス時や録音の際のモニターとして、リスニング用途や、

映像鑑賞など音が関係することほぼ全てに使用していますが
聴き疲れすることなく、小さい音量でもバランスが把握しやすいと感じています。

 

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-スタジオについてお聞かせください。

このスタジオを見渡すと楽器やハードウェアの機材が目立ちますが、お気に入りはありますか?

 

気に入ってないものは置かないことにしているので、どの機材もとても気に入っています。

もちろんME801Kはお気に入りです。

シンセサイザー Dave Smith Instruments Prophet-6 Moog Mother-32

ギター     1963年製 Fender Jaguar 1965年製 Epiphone Granada
サンプラー   Elektron Octatrack MkⅡ
リズムマシン  MFB Tanzbär
ギターアンプ  CARR Mercury
エフェクター  OTOMACHINES BAM
        ChaseBlissAudio Dark World
モジュラーシンセサイザー  

など、

上記の機材はどれも自分の制作には欠かせないものです。

1963 ジャガーは今年の春頃入手したのですが、アンプととも使用し録り音の研究をしています。

 

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 今春入手されたという1963年製 Fender社のヴィンテージ Jaguar

 

-スタジオの機材同様インテリアにも拘りがありそうですが、なにか拘りポイントはございますか?

 

1日中 朝から晩までこの部屋で仕事をいる事が多いのでリラックスして作業できる環境にしています。
先程と重複しますが、基本的には自分の気に入ったものしか置かない事は徹底してます。

ここにある器や植物、それと料理は自分の趣味と呼べるものですが、
そういったもの、つまり音楽以外の事から音楽のヒントを得ることが多くあります。

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スタジオの作業場に隣接したスペース

菅原さんの趣味だという料理をするキッチンの手前には器や植物が綺麗にレイアウトされている。

 

例えば、器のザラザラした質感をシンセやギターの音色に置き換えて音作りしたり、

料理の工程をミックスやマスタリングに例えて考察したりなどです。

この空間は生活の中で自然に音楽以外の自分の興味あることもじっくり観察ができて

アイディアが生まれるようなインテリアになっていることも拘りのひとつです。

 

質感というと、この2年間くらい音楽において特に音色と質感の追求を自分の研究課題としていて、

自分のアンテナに引っかかるものを集めていたので、自然とこのような インテリアになったのかもしれません。

 

-なるほど、ムジークのユーザーさんには菅原さんのように音色や質感を気にされる方が多い気がしますね、それこそ坂本龍一さんも音色には非常に拘っているし、Alva Notoさんはスタジオのスピーカーを選定する時にホワイトノイズの質感で判断したと聞きました。
音色、響き、音の消え際、こういったものに重きを置いている方が割とムジークを使用していくれている実感があります。

 

そうなのですね。

誤解を恐れずに言うとこのスピーカーは気持ちよく聞ける事に特化しているスピーカーではなく、 モニターとして判断のしやすさを追求したスピーカーだと感じています。(個人的にはこれはこれでとても気持ちよく聴けているのですが 笑)

 

判断のしやすさの要素として”音色を音の消え際まで追うことができる かどうか”ということがあると思うのですが、

ムジークは音が消える最後まで音色にフォーカスできるので、音色や質感に重きを置く音楽家を魅了しているのではないでしょうか。

 

音色の話ですと、ムジークのスピーカーを作っている人たちはピアノの音をピアノの音として再生できるように作っているとお伺いしました。

 

-そうですね。生楽器の音、ピアノだったりヴァイオリンだったりをスピーカーを通した音と生の音が一致するように作っています。
その為ムジークではクラシックのコンサートに行って生楽器の音をリファレンスとして記憶するという事を業務として行っています。

 

とても納得です。レコーディングエンジニアと話をしているときも「(ムジークは)アコースティックの鳴りがいいよね」という話になりました。

僕自身の仕事でもムジークで作業していて、トラックのなかでアコース ティックなものが増えれば増えるほど、ギターの音ってこうだよね、ヴァイオリンってそうだよねっていう説得力が生まれるのを実感しています。

 

-ありがとうございます。それではお仕事について伺えればと思います。

ご自身の音楽活動について教えていただけますか?

 

普段はTV番組やWEB、インスタレーション、パフォーマンス、企業のイベントなど

広告に付随する音楽をメインに活動している作曲家です。


-仕事の上で意識していることはありますか?

 

作業する時間帯を気をつけています。
例えば、午前中の頭がフレッシュな時間帯に曲の骨格を作る作業やミックスなどをやり、
午後からオーディオの編集とかギターをリアンプしたりシンセ差し替えたりといった作業を行います。
クリエイティビティーの強度が強い作業を優先して午前中にやるというのを一日の中で意識してやっています。

 

制作の手法的な事で意識していることは自分の手癖から離れるために、
例えば曲を1曲つくったら次の曲はなにか違うこと、自分がやってない方法や苦手な方法をとるようにしています。
手癖から出る個性もあるのでそれ自体が悪いことではないと思いますが、
今の気分としては新しい発見をして自分の幅を広げていきたいという気持ちが強いので、手癖から離れることは特に意識しています。

 

-機材をチェックしているときのリファレンスや最近聴いている音楽があれば教えて下さい。

 

もともとエレクトロニカ~アンビエント周辺の電子音楽を聞くことが多かったのですが
今は膨大な種類の音楽に簡単にアクセスできるようになったのと、自分の趣味嗜好が広がったので
これといったものをピックアップするのが難しいですね。
強いて挙げるならFKA Twigs、Bon Iver、Fenneszなどの楽曲の音像や音色が好みです。
スピーカーが大きくなったので「この音像はどうやるんだろう?」
と研究も兼ねて様々な音楽を聴いています。

 

FKA Twigs

 

Bon Iver

 

Fennesz

 

-今後チャレンジしたいことはありますか?

まずはこのスピーカーME801Kを最大限に活かすことができるスタジオ空間をつくりたいです。
RL901Kが設置されているTEMAS(テイチクマスタリング)に以前お伺いした際にその音を聴いたところものすごく良く鳴っていて、 ちゃんとした環境、部屋で鳴らす事は何よりとても重要なことだなと実感しました。

また仕事に関しては今はテレビやWEBの広告の仕事が多いのですが、ライブやファッションショー、

J-POPなど自分の幅を広げていきたいですし、
アーティストとしての電子音楽作品のリリースや、他作家とのコラボレ ーション、コライトなども積極的にしていく予定です。

そのためにME801Kで日々色々な音楽を聴き、自身の技術を磨いていきたいと思います。

 

-本日はお話いただきありがとうございました。 

 


菅原一樹 プロフィール

  • 作編曲家、anre*f Inc. 代表取締役。

    TV、WEB、アプリ、ライブ、パフォーマンス、イベント、映像作品、企業PR等の音楽を幅広く手がける。
    これまでに楽曲を担当したプロジェクトが国際広告祭ADC AWARD、ADFEST、Spikes Asiaでそれぞれシルバーを受賞。

  •   Instagram : @sgwrkzk  /  WEBサイト / Refresh Resort
  • sgwr2019Aw M

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