8300CD DAコンバーターの評価 その2
今回は、良質なCDプレーヤーと評価されるAudiolab 8300CDのD/Aコンバーター部分を評価してみます。
音源は、ノートブックMacBook AirにインストールしてあるソフトウェアAudirvanaを介して
TIDAL(*日本国内ではサービス未提供)のストリーミングサービスを利用します。
TIDALの音楽データーをAudiolab 8300CDにデジタル入力して、REVOXのプリメインアンプS120で増幅し、REVOXの同軸2ウェイスピーカーPiccolo S60でモニターします。
CDソフトと比較するために某メーカーのCDプレーヤー も使用してみます。
Chick Corea / SPAIN
まずチック・コリアのSpainをCDとTIDALデーター 24bit/96kHzで聴き比べてみます。
試聴してみると、圧倒的に8300CDを介したTIDAL音源に分がありました。
再生情報量が全く違います。
TIDAL音源は、イントロのタンバリンの鈴の音、ベースのアルコ音が目の前で鳴っているかのように聴こえます。
曲中でも、クラップの音、コーラス、掛け声、そしてフェンダーローズ、ベース、ドラム、全ての音色が違って聴こえます。
レンジの広さ、奥行き感、情報量、全てTIDALデーターが上回っているの感じです。
よりエネルギー感が伝わるので、よりグルーヴ感も上がります。
Sheila Chandra / Speaking in Tongues III
次にシーラ・チャンドラのSpeaking in Tongues IIIを比べてみます。
TIDALデーターは16bit/44.1kHzを使用するので、データスペック的にはCDと同じになります。
Speaking in Tongues IIIは、タブラなどの打楽器のように、声だけで音楽を表現しています。
シンプルだからこそ音色が鍵になる音楽です。
さてCDとTIDALデーターを比較してみると、明らかにTIDALデーターの方に奥行き感を感じます。
120~160Hz付近の低音を発声した時もTIDALデーターの方が自然で且つ力感に溢れた音に聴こえます。
より自然に聴こえてくるので、音楽に引き込まれます。
Leonard Bernstein / Mahler:Symphony No.5
レナード・バーンスタイン指揮のマーラー交響曲第5番の4楽章を聴き比べてみましょう。
この4楽章は、壮大な映画音楽を彷彿せるような美しい曲です。
叙情的で、緩やかな旋律が繊細に奏でられるます。
CDとTIDALデーターを比較すると、低弦の響き、高弦の伸びにはっきりとした差が出ました。
8300CDの方が低い音と高い音それぞれを優位に再生できるので、
TIDALデーターの方が、ワイドレンジで豊かな響きに聴こえます。
ここまでの試聴で、8300CDのA/Dコンバーターが圧倒的に優位なのを悟ったので、
ここからはTIDALデーターのみの試聴に切り替えることにします。
坂本龍一 / disintegration
坂本龍一のdisintegrationを24bit/44.1kHzのTIDALデーターで聴いてみます。
驚きました。ピアノの胴鳴りがはっきりと聴こえてきます。
弦を爪弾く擦音も、弦が奏でる共鳴音も鮮明さを増しました。
電子音、特に低域の伸びも増してます。
従来入っている音が良い感じで聴こえているのでしょう。
一瞬「スピーカーをムジーク(musikelectronic geithain)に変えてみよう!」と脳裏に走りましたが、
本題から外れるので止めておきます(笑)
Peter Gabriel / It is Accomplished
最後は映画「最後の誘惑」のサウンドトラックからピーター・ガブリエルの
It is AccomplishedをTIDALデーター 24bit/96kHzで聴いてみます。
もやが晴れた感じで、各楽器が驚くほど鮮明に聴こえます。
特にこんなにコーラスが入っていたのかと新たな発見がありました。
ドラムやパーカッションを叩いているスタジオの空気感も感じ取れます。
この聴こえ方は、今まで聴いていたCDは元より、アナログレコードをはるかに超えています。
視聴を終えて
高音質データー配信が主流になってきた現在、その情報をいかに再現できるか
アーティストがパッケージした本来の音を聴きたい音楽愛好家を悩ませます。
今回使用したTIDALなどはMASTERと名付けられたスタジオ・クォリティの音源を配信しています。
Ototoyやe-onkyoなどからは、DSD11.2MHzやハイレゾ192kHzのデーター音源も販売されています。
そのデーターをきちんと再生するために、良質なD/Aコンバーターが求められる時代なっています。
加えて、約40年近く販売され続けているCDというメディアは膨大な生産量です。
中古市場などを見渡してみても魅了的な音源が低価格でたくさん転がっています。
8300CDのようにCDプレーヤーとして使え、良質なD/Aコンバーターとしても機能するインテリジェント機は、
まさに今の時代にフィットしていると言えるでしょう。
音源の情報を最大限に活用できるフィルターが内蔵
音声信号をアナログからデジタルに、デジタルからアナログへ変換する過程の演算上で本来は無かった音声信号が発生してしまいます。
これは本来記録されていない音声信号なのでノイズ成分と言えます。
デジタル音声の欠陥程の大きな問題ではないにせよ、音声信号の記録/再生という目的においては、ノイズは除去しなくてはなりません。
本機にはこのノイズを除去するためPCMオーディオ用に7つのデジタルフィルターがあり、お好みのフィルターを選択できます。
デジタルボリューム内臓
-80dBから+3dBまで細かく調整可能なデジタルボリュームを内蔵
バランス出力
信号伝送時のノイズ低減に効果的なXLRコネクターによるバランス出力を搭載
コンバーターとしても優秀
昨今のトレンドとなっているESS社の高音質なSabre32 9018 DACチップ搭載。
AES3, Optical, Coaxialに対応
3種類の出力、入力にはさらにUSB入力を搭載しデジタル信号に対応。
よりハイエンドなDACと組み合わせる事で8300CDは優秀なトランスポーターとして機能し音楽体験をさらなる高みへと誘います。
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