導入実績: 「津田 直+原 摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」
2022年10月30日まで群馬県の太田市美術館・図書館で開催されている
写真家の津田 直さんと音楽家の原 摩利彦さんによる展覧会「トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」に
弊社で設計開発をおこなった特型サウンドシステムと弊社取扱のREVOX Piccolo S60が採用されました。
1F 展示室1
「津田 直+原 摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」
太田市美術館・図書館
撮影:木暮伸也
■使用機材: 特型3WAYシステム x4、特型サブウーファー x1
2F 展示室2
「津田 直+原 摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る」
太田市美術館・図書館
撮影:木暮伸也
■使用機材: REVOX PIccolo S60 x6
津田 直+原 摩利彦 トライノアシオト―海の波は石となり、丘に眠る
Nao Tsuda + Marihiko Hara Exhibition TORAINOASHIOTO: Waves turned into rocks and came to a rest at mounds
展覧会概要
およそ一万四千基という群馬県の古墳築造数は関東地方では屈指、全国的にみても数多い地域の一つといわれています。
身の回りには、森となって風景に溶け込んでしまっているものもあれば、整備保存され公園として親しまれているもの、
一部または完全に消失してしまったものなど様々な状態の古墳があります。
消失と出現の狭間をさまよう古墳の風景を、私たちはどう見たらいいのでしょうか。
ともすれば「古墳の風景を見る」というと、視覚だけの行為のように思いがちです。
しかし、「風景」という言葉が、空気の流れを意味する「風」と、日の光や影を意味する「景」から成り立っていることを考えれば、
「見えないもの」と「見えるもの」の両方を取り込んで初めて、人はその風景を実感するのかもしれません。
見えないものをも掴もうと思考し、身体の全感覚を使って対峙したとき、古墳は私たちの前にどう立ち現れるのか。
津田 直と原 摩利彦は、海を越えて伝え残された歴史に触れながら、外部から内部へ、明から暗へと、構造的に古墳にアプローチし、
巨視的かつ微視的に考察することで、見えないものの領域、つまり古人たちの世界観や時間意識をも捉えようと試みました。
その成果を、写真や音/音楽などの手法を用いたインスタレーション作品として表現します。
古代の時と今が緩やかにつながっていることを示す彼らの作品を通して、
本展が、私たちの日常に存在する古墳と出会い直すきっかけとなることを願います。
原 摩利彦HARA Marihiko
音楽家。1983年大阪出身。京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科修士課程中退。
静けさの中の強さを軸にピアノを中心とした室内楽やフィールドレコーディング、電子音を用いた音響作品を制作する。
笙やサントゥールを取り入れ音響的共存を目指したアルバム『PASSION』を発表。
野田秀樹『フェイクスピア』やダミアン・ジャレ+名和晃平『VESSEL』などの舞台作品、映画『流浪の月』(監督: 李相日)の音楽を手がける。
令和3年度京都府文化賞奨励賞受賞。
津田 直TSUDA Nao
写真家。1976年神戸出身。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。
文化の古層が我々に示唆する世界を見出すため、見えない時間に目を向ける。2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。
最近では芸術祭への参加や、現代美術のフィールドを越えて他分野との共同制作、執筆、講演、特別授業なども行う。
主な作品集に『SMOKE LINE』、『Storm Last Night』(共に赤々舎)、『Elnias Forest』(handpicked)がある。
平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)受賞。
大阪芸術大学客員教授。
津田 直と原 摩利彦の共同制作としては、
芸術祭・のせでんアートライン2021《7+1 / 舞い降りてくる星辰、光を放つ》(能勢妙見山 / 信徒会館 星嶺、よろづや2階)がある。